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タイムバンクとは
タイムバンクの利用者は、一連のサービスや奉仕の享受と引き換えに自らもサービスを提供しなければならない。サービス内容を金銭に換算した価値ではなく、それに費やした時間の長さのみで取引の負債・貸付が評価される、という点がポイントである。   この取引システムでは、子供の算数の宿題を見てあげた1時間と、犬を散歩させてもらった1時間との価値が等しくなる。また、大学教授が老人ホームの老人たちに歴史の授業をする1時間と、老人たちが教授の庭のバラを手入れするのに費やす1時間の価値は同じとなる。 現在、2種類のタイムバンクが存在する。共同体タイムバンクと専門的タイムバンクである。 共同体タイムバンク、また近隣者間タイムバンク(neighbor to neighbor―ご近所からご近所へ―)は、特定の地域に住む共同体内でのみ機能する。個人能力の差異を利用し、社会的相互補助関係を発達させるのが目的である。このシステムは異なる世代間の関係を強化するのみでなく、特にユーザー全員が利用できるサービス内容の充実に役立つ。 この種のタイムバンクでは、必ずしも共同体に属さない、適した組織が運営するネットワークを確立することが多い。こういった意味での最初の例は、ニューヨークのブルックリン地区で生まれた「エルダープラン」である。 (http://www.timedollar.org/td_models_ec.htm)  一方専門的タイムバンクは、同じく時間交換システムに基礎を置くものの、あるグループのメンバー間において似通った内容のサービスを提供し合うものである。老人ホーム、学校、その他集団内において特定の目的を持って運営される。 2種間の相異は、タイムバンクとローカル交易システム(LETS)間の微妙な違いに似ている。LETSは専門的タイムバンクに近い。事実LETSのほとんどのケースにおいて、メンバーは合意に基づき“外部の”基準に交易内容評価を求め、例えば1時間は金銭に換算して幾らかに値するといったことを定めている。LETSの交易では印刷された紙幣は使用しないものの、メカニズムは地域通貨や補助補完通貨(リンク:代用通貨)に似ている。    LETSの「専門化」は、そのコンセプトの重要な特色を反映している。LETSには現存の経済システムの代案となるモデルを確立しようという傾向があり、そのため公共団体や外部組織との繋がりを避けがちである。実際、会員間の交易は仲介人(タイム・ブローカー)を介さずに直接行われており、全ての運営は自主的に行われている。 タイムバンクとLETSにはこのような相違点があるものの、誰の1時間もその価値は等しいというシンプルであり革命的なコンセプトをもとにしており、共存が問題なく可能である(ペッカム市にその例が見られるhttp://www.peckhamsettlement.org.uk/)。 タイムバンク、タイム・ダラー、交易取引ローカルシステム(LETS)を話題にすると常に、その体験の社会的な面が強調される。発案者であるエドガー・S・カーン教授博士(リンク:発案者)は、まさに交易に関する社会面の革命を頭に描いていたのである。時間に基礎をおいた交易の発想は実際、ギブ・アンド・テイクの功利主義を新たな社会的互助関係に転換するものであり、この互助関係によって“自由な交易”の概念が新たな意味をもってくる。規則面での交易の自由化というよりも、金銭価値への隷属からの自由化であり、人間の価値を再評価するものなのである。
(23/06/2006)

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